最新記事
海洋生物

サメに脚をかまれた16歳少年の痛々しい傷跡...素手で救った父親...衝撃救出劇の一部始終

Father Rips Shark's Mouth Off Son in Fishing Trip Horror

2024年4月26日(金)18時00分
ロビン・ホワイト
(写真はイメージです) Oleksandr Sushko-Unsplash

(写真はイメージです) Oleksandr Sushko-Unsplash

<少年は下肢に3つの非常に深い裂傷を負ったという>

オーストラリア在住の10代の少年が、釣りをしている最中にホオジロザメに脚を噛まれ、病院に緊急搬送された。

【動画】閲覧注意:サメに脚をかまれた16歳少年の痛々しい傷跡...素手で救った父親...衝撃救出劇の一部始終

脚を噛まれた直後に、少年の父親が助けに駆けつけ、素手でサメの口を開けて脚から引き剥がし、息子を救った。地元ニュースメディアの7ニュースはそう伝えている。

この少年ネイサン・ネス(16歳)は、南オーストラリア州のグレネルグの近くに家族旅行で出かけていた。釣りをしていたところ、その釣り針に偶然、ホオジロザメがかかったという。

海岸から2マイル(約3.2キロ)以上離れていたため、少年はリールを巻いて獲物を引き上げようとした。だが、信じられないような獲物を写真に撮ろうと身を乗り出した時に、ホオジロザメがその脚にガッチリと噛み付いたと、7ニュースは報じた。

少年の父親マイケル・ヘスは、ためらうことなくサメに手を伸ばした。

最初、少年の父親は、サメが息子の脚を離さないのではないかと恐れたという。

「実のところ、私はかなり怖かった」と、ネスは7ニュースに語った。「私は手を伸ばし、サメの口を引っ張って開いた。それから手を離すと、サメはドボンと海中に戻った」

息子はケガの治療のため、ロイヤル・アデレード病院に緊急搬送された。

「この16歳の少年には、下肢に3つの非常に深い裂傷、すなわち歯形があった」と、南オーストラリア州救急隊の広報担当者クレイグ・マーディは7ニュースに語った。「我々が現地に着いた時には、出血は抑えられていた」

ホオジロザメは、オーストラリア沿岸の海域に広く生息する。サメによる襲撃は稀だが、自らの身に危険が迫っていると判断した際には、肉食のこのサメは人を襲うことがある。

この種のサメは、肉を切り裂くことに特化した、複数列の非常に鋭い歯を持つ。つまり、実際にこのサメに噛まれた場合は、医療措置を必要とする緊急事態になるということだ。

ホワイト・ポインター・シャークとも呼ばれるホオジロザメは、「ビッグスリー」と呼ばれる、先に攻撃を受けたなどの理由がなくても人を襲う可能性が最も高いサメ3種のうちの1つだ。オオメジロザメも、他の種のサメと比べて攻撃的な気質を持つことで知られ、ホオジロザメと共にビッグスリーに入っている。

国際的なサメ被害情報のデータベース「国際サメ襲撃ファイル(ISAF)」によると、南オーストラリア州では、記録が開始された1700年以降、先に攻撃を受けたなどの理由なくサメが襲ってきた事件は47件にすぎないという。

大半のサメの襲撃はニューサウスウェールズ州で起きている、とISAFは報告している。同州では、サメの方から襲ってきた事例の数が272件を数えるという。

重傷を負ったものの、16歳の少年にはひるんだ様子はなく、近いうちにまた釣りに出かけたいと語ったと、7ニュースは伝えている。だが、少年の父親は同メディアに対し、息子が願うほどすぐにこれが実現することはないだろう、との考えを示した。

ホオジロザメは時折、偶然に釣り糸にかかることがある。この種のサメは絶滅危惧種とされているため、釣り人がかかった獲物を引き上げて我がものにすることは法律で許されていない。そのため、偶然捉えられた場合は、常に海に投げ返されることになっている。

(翻訳:ガリレオ)

20240521issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月21日号(5月14日発売)は「インドのヒント」特集。[モディ首相独占取材]矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディの言葉にあり

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ソニーGの今期、5.5%の営業増益見通し PS5販

ビジネス

英労働市場、歴史的基準で依然タイト=中銀ピル氏

ビジネス

英賃金、1─3月は予想上回る6.0%上昇 割れる市

ビジネス

英ボーダフォン、通期中核利益2%増 ドイツ事業好調
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少子化の本当の理由【アニメで解説】

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 5

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子…

  • 6

    「ゼレンスキー暗殺計画」はプーチンへの「贈り物」…

  • 7

    アメリカからの武器援助を勘定に入れていない?プー…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    「人の臓器を揚げて食らう」人肉食受刑者らによる最…

  • 10

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 9

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中