伊ベネチア、観光客から入市料徴収 オーバーツーリズム対策で世界初
4月25日、 イタリア北部の都市ベネチアは、観光客が押し寄せて住民生活が害される「オーバーツーリズム」対策として、市内に入る観光客から手数料を徴収する制度を導入した。写真は1月、カーニバルで混雑するベネチアの街(2024年 ロイター/Guglielmo Mangiapane)
[ベネチア 25日 ロイター] - イタリア北部の都市ベネチアは25日、観光客が押し寄せて住民生活が害される「オーバーツーリズム」対策として、市内に入る観光客から手数料を徴収する制度を導入した。観光シーズンのピークを対象としたもので、世界初の事例となる。
日帰りの観光客は事前にオンラインで5ユーロ(5.35ドル)の入市料を支払って登録する必要がある。今年の徴収対象は計29日あり、祝日の25日がその最初となった。
市の入り口には観光客が登録しているかどうか確認するゲートはないが、監査官が抜き打ち検査を行い、登録していない人には50─300ユーロの罰金を科す。
市当局者によると、昨年ベネチアを訪れたのは約2000万人で、約半分がホテルや民泊施設に宿泊した。ベネチアの人口は現在約4万9000人。
当局者によると、今年の料金徴収は試験段階にあり、将来的には特定の時期の料金を引き上げる可能性もある。
ベネチアは昨年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)による「危機にさらされている世界遺産」の指定をかろうじて免れた。オーバーツーリズムが生態系を破壊するリスクに市が対処していることが判断材料の一つになった。