最新記事

日本が韓国をパクった!? 日清のUFO新商品が韓国の激辛麺「ブルダック」に激似と韓国ネット民大騒ぎ

2023年4月26日(水)21時20分
佐々木和義

アジアのソフトパワーの中心が韓国へ?

韓国の即席麺は日本の協力で生まれた。三養食品を創業した全仲潤(チョン・ジュンユン)氏は、60年代初頭、国民の窮乏を救うため即席麺の製造販売を企図して日清食品を訪ねたが拒絶され、明星食品の支援を受けて、韓国鉢の即席麺を発売した。こうした韓国の即席麺誕生の経緯も踏まえ、慶熙大学の外食経営学教授は「日清食品のポックンミョンは、アジアのソフトパワーの軸が日本から韓国に移った事例」と主張する。

かつての模倣天国も、今やパクられる側に......

2010年代に入って中国が韓国の知的財産を侵害する例が増え始めると、韓国内で商標権侵害や意匠権侵害が社会問題として浮上した。

英国のバーバリーリミテッドは2014年、バーバリー社固有のチェック柄を盗用したとして韓国企業を訴え、19年には制服メーカーを商標権侵害で提訴した。バーバリー社が2009年に「バーバリーカラオケ」を商標権侵害で訴えたとき、韓国地裁はバーバリー社の訴えを棄却したが、2014年と19年の訴訟ではバーバリー社が勝訴している。

2014年、ペペロの高級版「プレミア ペペロ」を目にした江崎グリコの韓国駐在員がポッキーの高級版「バトンドール」と箱の形やデザインが酷似しているとして訴訟を起こし、韓国ロッテが敗訴した。

2018年には韓国の漫画キャラクター「テコンV」と「マジンガーZ」の類似性が裁判で争われた。ロボットテコンV社が、玩具輸入会社を著作権侵害で提訴すると、輸入会社側は、テコンVではなく日本のマジンガーZをイメージしたと反論。裁判所はマジンガーZとテコンVの類似性を認めながらも、テコンVとマジンガーZは異なると判決文で述べている。

韓国の特許庁や関税庁は取り締まりを強化するが、コピー製品は後を絶たない。
特許庁などが2022年に押収したコピー品は37万5583点で、正規品基準の被害額は425億ウォン。押収点数は2020年の72万471点と比べて減少したが、被害額は2020年の159億ウォンの3倍に増えていた。

ファッションブランド「COVERNAT(カバーナット)」は、ECサイトで自社製品のコピーを見つけて販売中止を要請したが、要請を受けたサイトが販売を中止すると、他のECサイトで同じコピー品が販売されるなど、取締まり側とコピー業者のいたちごっこが続いている。

日清のボックンミョンに関して、三養食品の関係者は、同社が商標権を有する「ブルダックポックンミョン」とは品名が異なっており法的対応は難しいと話しており、製品のオリジナリティーを訴求するマーケティング活動を考えているという。消費者の判断に委ねるのが妥当だろう。日清食品のカップ麺は韓国では正規販売がなく、筆者は試すことができないのが残念だ。

【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ジョージア「スパイ法案」、大統領が拒否権発動

ビジネス

必要なら利上げも、インフレは今年改善なく=ボウマン

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中