最新記事
商品市場

金価格、今年2倍超に高騰か──スイスの著名ストラテジストが予想

2024年4月8日(月)11時02分

4月5日、 スイスの金製錬会社MKS・PAMPの金属戦略責任者、ニッキー・シールズ氏が2024年の金相場見通しを修正して以降、市場関係者の間から「金はココアに追随するか、追随できるか」という疑問が提起されている。写真は2023年9月、ロシア・ノボシビルスクの精錬工場で撮影(2024年 ロイター/Alexander Manzyuk)

スイスの金製錬会社MKS・PAMPの金属戦略責任者、ニッキー・シールズ氏が2024年の金相場見通しを修正して以降、市場関係者の間から「金はココアに追随するか、追随できるか」という疑問が提起されている。

ココアは主要産地のコートジボワールやガーナでの不作のため、価格は年初来で2倍余りに上昇した。一方で金の現物価格はここ数日、過去最高値を相次いで更新している。

 

シールズ氏は「金がこの程度の期間にこれほどの上昇を再現するのは、ほぼ不可能だ」と指摘。今年の平均金価格の見通しを1オンス当たり150ドル上方修正して2200ドルとした。

金はテクニカル分析では、買われすぎたために大幅下落する兆候が示されているが、アナリストは強気の見方を維持している。

ワールド・ゴールド・カウンシルのシニア定量分析アナリスト、ヨハン・パームバーグ氏は、金の店頭取引市場と先物市場は活況を呈していると指摘、出来高は40%程度増加しているとの推計を示した。

また多くのアナリストは、米連邦準備理事会(FRB)が利下げを開始して、様子見姿勢を続けていた投資家からの需要を喚起すれば、金相場は新たな高値を試す展開になると予想している。

バンク・オブ・アメリカのアナリストグループはノートに「当社は以前、FRBが2024年第1・四半期に利下げすれば、金価格は1オンス当たり2400ドルとの見通しを提案していた。仮に利下げが遅れるとしても、今年はこの見通しをコミットする」と記した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ADP民間雇用、4月は19.2万人増 予想上回る

ビジネス

EXCLUSIVE-米シティ、融資で多額損失発生も

ビジネス

イエレン米財務長官、FRB独立の重要性など主張へ 

ビジネス

米3月求人件数848.8万件、約3年ぶり低水準
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉起動

  • 4

    ポーランド政府の呼び出しをロシア大使が無視、ミサ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    米中逆転は遠のいた?──2021年にアメリカの76%に達し…

  • 7

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 8

    パレスチナ支持の学生運動を激化させた2つの要因

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    大卒でない人にはチャンスも与えられない...そんなア…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中