最新記事

ミスコン

女性の美を競う世界大会5大会すべてで黒人女性が優勝する時代に

2019年12月25日(水)16時45分
安部かすみ

バーバラ・リー下院議員は、ハッシュタグ「#BlackGirlMagic」を使い、「これは本当に黒人女性マジックです。世界中の黒人女性にとって計り知れない元気を与えるでしょう」とツイートした。


また、ミシェル・オバマ前大統領夫人も12月9日(ミス・ワールドが発表される前の時点)、4大会すべての優勝者が黒人女性となり、同様のハッシュタグで喜びを表していた。


暗黒の歴史を経てアメリカも新時代へ

ワシントンポスト紙も12月22日、「The expanding global pageant that is black beauty」(世界的な美のコンテストに広がるブラックビューティー」と報じた。

アメリカでは、まだ警察による不当逮捕や職業、賃金など黒人差別は根強く残っている。1983年、ミスアメリカとして選ばれた史上初の黒人女性は、歌手のヴァネッサ・ウィリアムスさんだ。ビューティー・パジェントといえば、今でも白人至上主義者のためのコンテストと揶揄される世界。ウィリアムスさんが優勝した時には、「FBIにファイルされ、殺人の脅迫も届いた」と言う。また地元ニューヨークで凱旋パレードを行う際「万が一のために狙撃兵を周りに置いた」とも言われる。

今から36年前と決して遠すぎる過去ではないが、黒人女性にとっては、美の栄光を獲得することも容易くない時代が続いていた。しかし2000年代に入り、人々の価値観や(内面や賢さも含む)美意識は少しずつ変化している。

「自分が選出された時、目が青色で肌の色が明るめということで『黒人の優勝者と言うには要素が足らない』と言う批評もあった」とウィリアムスさんは振り返る。「この5大会の優勝者たちも一言でブラックと言っても、髪型も肌の色も出身地もさまざまで多様性があり、実に喜ばしいこと」と語った

2019年は、さまざまなタイプの黒人女性が美の象徴として格付けされ、ブラックビューティーを語る上で一つのエポックになったのではないだろうか。

IMG_0657a.jpg

ニューヨークのイベントに現れた、2019年のミスアメリカのニア・フランクリン(Nia Franklin)さん。写真は筆者撮影

.

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米大統領選、バイデン氏とトランプ氏の支持拮抗 第3

ビジネス

大手3銀の今期純利益3.3兆円、最高益更新へ 資金

ワールド

ニューカレドニアの暴動で3人死亡、仏議会の選挙制度

ワールド

今年のユーロ圏成長率、欧州委は2月の予想維持 物価
今、あなたにオススメ

RANKING

  • 1

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 2

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 3

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 4

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 2

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 3

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 4

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 5

    「私は妊娠した」ヤリたいだけの男もたくさんいる「…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 2

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 3

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 4

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 5

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:インドのヒント

特集:インドのヒント

2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり