最新記事

流星群

吉兆か凶兆か? 平成が終わる新年の日本で「しぶんぎ座流星群」を撮影

2019年1月4日(金)17時37分
内村コースケ

夜明け前に集中して出現

やがて若者グループなど3組が同じ駐車場にやってきた。手元の温度計はマイナス12度。風も出ていた。冬山登山に近い格好はしていたものの、外に立って夜空を眺められるのは連続15分くらいが限度だ。三脚にカメラを固定して、連続して30秒露光するようにセットし、定期的に車に入って暖を撮りながら夜明けまで観測・撮影を続けた。

写真は、広角レンズで蓼科山と白樺湖を下の方に入れた構図に固定。そのフレームに収まる範囲の夜空を中心に眺めた。最初の流星が見えたのは観測を初めて30分ほど経った頃。カメラのセッティングを確認したり、スマートフォンで情報を確認しながら、大半は車の窓越しの素人観測だったため、かなりの数を見逃したはずだが、午前2時〜6時の4時間で、大小20個ほどを目視した。

写真に写っていたのは、15個。そのうち3個、2個と1枚に同時に写っていたのが2枚(30秒の露光時間の間に出現)。肉眼ではほんの一瞬、写真ではパソコンの画面いっぱいに拡大しないと確認しにくいようなものがほとんどだったが、終盤の5時41分35秒のカットに写ったものは、ひときわ明るくて大きく、美しかった。「火球」と呼んでいいクラスだったと思う。

3個同時に写っていたカットは、5時25分3秒。これに17分先立つ火球のカットとの間には、計3個が写っていた。午前6時には空が白み始めたが、やはり極大に近い夜明け直前の時間帯に集中して流れたのだろう。掲載した写真は、3個同時カットと火球カットの2枚を重ねて合成したものだ。

好条件の流星群出現と共に明けた日本の2019年。古今東西、流れ星を吉兆と捉える文化もあれば、凶兆と見る文化もある。今年の「しぶんぎ座流星群」は、来る日本の新時代にとっては、どちらだったのだろうか。

<参考>国立天文台

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ジョージア「スパイ法案」、大統領が拒否権発動

ビジネス

必要なら利上げも、インフレは今年改善なく=ボウマン

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中