最新記事

米社会

マジックマッシュルーム混入「チョコ」が未成年を狙って流通か...米当局が警告

Chocolate Bars Laced With Mushrooms Spurs Warning for Parents, Community

2022年9月3日(土)18時35分
ファトゥマ・ハレド
マジックマッシュルーム

Yarygin-iStock

<危険な成分を含む製品が子どもの興味を引くようなパッケージで売られており、気付かずに食べてしまうおそれがあると警告>

米フロリダ州ウィンターヘイブンの警察は、最近のある家宅捜索で「マジックマッシュルーム(シュルームとも呼ばれる)」を含むチョコレートバーを回収。こうしたチョコレートはカラフルなパッケージで売られているとして、子どもを持つ親たちに警告を発した。

■【写真】派手でポップなパッケージの「マジックマッシュルーム」入りチョコレート

地元テレビ局のWFTSによれば、子どもがマジックマッシュルーム入りのチョコレートバーを食べたという報告は、これまでのところ明らかにされていないが、当局は保護者たちに、子どもにマジックマッシュルームの危険性を説明するよう促している。

WFTSによれば、ウィンターヘイブン警察のデービッド・ブレナン署長は、「この種の物質は(中毒性が高く医療的価値が低い)スケジュール1の薬物であり、フロリダ州では違法とされている」と述べ、さらにこう続けた。「保護者たちは、危険な物質を含む可能性があるものを口に入れないよう、お子さんに話して欲しい」

警察がどこで、どのようにして問題のチョコレートバーを見つけたのか、詳しいことは明らかにされなかった。だがニュースサイトのタンパ・フリープレスは、問題のチョコレートは検査機関に送られたと報じた。

合成麻薬フェンタニルのまん延も問題に

「マジックマッシュルーム」にはシロシビンと呼ばれる精神活性・幻覚成分が含まれ、摂取すると血圧が上昇したり、心拍数が増えたりする可能性がある。吐き気や嘔吐、幻覚や妄想などの症状が出ることもある。

さらにアメリカではこのところ、合成麻薬フェンタニルのまん延に関する報道も相次いでおり、懸念の声が上がっている。西海岸の当局者たちは、カラフルに色付けされた「レインボー・フェンタニル」が一部ソーシャルメディア・アプリ上で販売されているとして、懸念を表明している。

カリフォルニア州プレイサー郡検察局は、最近のプレスリリースの中で、「おそらく未成年者に売りつけるために、カラフルに色付けされたフェンタニルがプレイサー郡に入ってきている」と警告した。

「各種報道によれば、その多くがインスタグラム、スナップチャットやTikTokのようなアプリベースのプログラム上で販売されているようだ」と同検察局は述べ、フェンタニルは偽の処方薬やヤミ市場で販売される電子タバコなど、複数の異なる形で売られている可能性があり、マリファナと混ぜたものも見つかっているとつけ加えた。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、FRB当局者発言を注視 円

ビジネス

米国株式市場=S&Pとダウ上昇、米利下げ期待で

ワールド

米、イスラエルへの兵器輸送一部停止か ハマスとの戦

ビジネス

FRB、年内は金利据え置きの可能性=ミネアポリス連
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:岸田のホンネ
特集:岸田のホンネ
2024年5月14日号(5/ 8発売)

金正恩会談、台湾有事、円安・インフレの出口......岸田首相がニューズウィーク単独取材で語った「次の日本」

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 2

    「自然は残酷だ...」動物園でクマがカモの親子を捕食...止めようと叫ぶ子どもたち

  • 3

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 4

    「真の脅威」は中国の大きすぎる「その野心」

  • 5

    デモを強制排除した米名門コロンビア大学の無分別...…

  • 6

    いま買うべきは日本株か、アメリカ株か? 4つの「グ…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 9

    中国軍機がオーストラリア軍ヘリを妨害 豪国防相「…

  • 10

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 1

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 2

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 3

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 4

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミ…

  • 5

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 6

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 7

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 8

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 9

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが......…

  • 10

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中