最新記事

感染症

スーダン、病原菌が外部に流出する「バイオハザードリスク」=WHO

2023年4月26日(水)09時55分

世界保健機関(WHO)は25日、戦闘が続くアフリカ北東部スーダンの首都ハルツームにあるはしか、コレラ菌などの危険な病原菌を保管する国立公衆衛生研究所が占拠され、病原菌が外部に流出する「高いバイオハザード(生物災害)のリスク」があると警告した。提供画像(2023年 ロイター)

世界保健機関(WHO)は25日、戦闘が続くアフリカ北東部スーダンの首都ハルツームにあるはしか、コレラ菌などの危険な病原菌を保管する国立公衆衛生研究所が占拠され、病原菌が外部に流出する「高いバイオハザード(生物災害)のリスク」があると警告した。戦闘を繰り広げているスーダンの正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」のいずれかに占拠されたと明らかにした。

WHOのニマ・サイード・アビッド氏はスーダンからビデオでジュネーブの記者団に対して「主な懸念事項は、研究所の専門家が入って利用されかねない生体物質や薬物を安全に確保できないことだ」と指摘した。いずれの側が研究所を占拠したかについては特定を避けた。

戦闘は今月15日に発生し、WHOの最新データによると少なくとも459人が死亡し、4072人が負傷した。

病院などの不可欠なサービスがまひし、食品や水の供給が減り、多くの人が家で身動きが取れなくなっている。

国連人道問題調整事務所(OCHA)は戦闘激化により、スーダンの一部で活動の縮小を余儀なくされている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル軍、ガザ最大の難民キャンプとラファへの攻

ビジネス

中国、超長期特別国債1兆元を発行へ 景気支援へ17

ワールド

ロシア新国防相に起用のベロウソフ氏、兵士のケア改善

ワールド

極右AfDの「潜在的過激派」分類は相当、独高裁が下
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 3

    年金だけに頼ると貧困ライン未満の生活に...進む少子高齢化、死ぬまで働く中国農村の高齢者たち

  • 4

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 5

    ブラッドレー歩兵戦闘車、ロシアT80戦車を撃ち抜く「…

  • 6

    自宅のリフォーム中、床下でショッキングな発見をし…

  • 7

    地下室の排水口の中に、無数の触手を蠢かせる「謎の…

  • 8

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 9

    あの伝説も、その語源も...事実疑わしき知識を得意げ…

  • 10

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地ジャンプスーツ」が話題に

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 6

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 7

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 8

    日本の10代は「スマホだけ」しか使いこなせない

  • 9

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 10

    「終わりよければ全てよし」...日本の「締めくくりの…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中