最新記事
米大統領選

トランプ連勝、ヘイリーを「詐欺師」...ヘイリー「まだ終わっていない」ニューハンプシャー州共和党予備選

2024年1月24日(水)22時13分
トランプ

1月23日、エジソン・リサーチの予想によると、米大統領選に向けた共和党候補指名争い第2戦の東部ニューハンプシャー州予備選は、トランプ前大統領が勝利した。ニューハンプシャー州のロンドンデリーで撮影(2024年 ロイター/Mike Segar)

エジソン・リサーチの予想によると、米大統領選に向けた共和党候補指名争い第2戦の東部ニューハンプシャー州予備選は、トランプ前大統領が勝利した。党内での優勢をさらに強め、本選で民主党のバイデン大統領と対決する可能性が高まった。

ただ、共和党内でトランプ氏の唯一の対抗馬であるヘイリー元国連大使は、トランプ氏を祝福しながら「レースはまだ終わっていない」と支持者らに語り、選挙戦を続ける意向を表明。トランプ氏に討論会に臨むよう求めた。

トランプ氏は自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」で、ヘイリー氏は妄想的だなどと述べた。

支持者への演説ではヘイリー氏を「詐欺師」と呼び「まるで自分が勝ったようなスピーチをしている。(実際には)敗れ、とてもひどい夜だった」とやゆした。

ヘイリー氏はニューハンプシャー州の無党派層の支持を得て逆転勝利する可能性に期待していた。

トランプ氏は8日前に初戦のアイオワ州党員集会で過去最大の差を付けて勝利。アイオワとニューハンプシャーが初戦場としての地位を固めた1976年以降で両州を制した初の共和党候補となった。

エジソン・リサーチによると、90%を集計した時点で、得票率はトランプ氏が54.6%、ヘイリー氏は43.2%となっている。

最終的な結果はまだ不明だが、党内ではヘイリー氏に撤退を求める声が高まりそうだ。

次の予備選は2月24日にサウスカロライナ州で行われる。ヘイリー氏の出身地で知事を2期務めた地元だが、世論調査ではトランプ氏が大きくリードしている。

ヘイリー氏の陣営は23日付のメモで、予備選・党員集会が集中する3月初旬のスーパーチューズデーまで選挙戦を継続すると表明した。

バイデン氏の選挙対策本部長を務めるジュリー・チャベス・ロドリゲス氏は声明を発表し、「今夜の結果によりトランプ氏は共和党候補指名をほぼ確実にした。選挙を否定する反自由主義のMAGA運動が共和党の乗っ取りを完了したことが確認された」と指摘した。トランプ氏は「Make America Great Again(MAGA、アメリカを再び偉大に)」をスローガンに掲げている。

トランプ氏はニューハンプシャー州で勝利を収めたものの、エジソン・リサーチの出口調査では予備選に参加した有権者の約44%が、トランプ氏が裁判で有罪判決を受けた場合は大統領にふさわしくないと回答するなど不安を残した。

その一方で4分の3近くが経済は「悪い」または「良くない」と答え、バイデン氏にも警告サインがともっている。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

20240521issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月21日号(5月14日発売)は「インドのヒント」特集。[モディ首相独占取材]矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディの言葉にあり

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


【20%オフ】GOHHME 電気毛布 掛け敷き兼用【アマゾン タイムセール】

(※画像をクリックしてアマゾンで詳細を見る)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバいのか!?

  • 3

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイジェリアの少年」...経験した偏見と苦難、そして現在の夢

  • 4

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 5

    時速160キロで走行...制御失ったテスラが宙を舞い、4…

  • 6

    チャールズ英国王、自身の「不気味」な肖像画を見た…

  • 7

    英供与車両から巨大な黒煙...ロシアのドローンが「貴…

  • 8

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 9

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 10

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 1

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 6

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 9

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 10

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中