最新記事

子育て

子どもの才能を引き出し伸ばすことができる親に共通すること

2020年04月14日(火)16時15分
船津徹

受験がゴールになってしまわないように(写真はイメージ) imtmphoto-iStock

<多くの親が、我が子には「やりたいことを見つけて、自分らしい人生を歩んでもらいたい」と願っているにも関わらず、「受験」が目標にすり替わってしまってしまう。日本、アメリカ、中国で教育に携わってきた筆者が勧める、子どもの伸ばし方とは?>

「将来、どんな子どもに育ってもらいたいですか?」教育相談に来た親に質問すると「経済的にも精神的にも自立した子どもになってもらいたい」「自分らしい人生を生きる子どもになってもらいたい」「やりがいがある仕事についてもらいたい」など、皆さん素晴らしい子育ての目標をお持ちになっていることが分かります。

「ではご相談内容は何ですか?」

そう私が尋ねると「中学受験をするのですが、どうしたらいいでしょうか?」

「子どもは小学生ですが、◯◯大学に合格させるために、今、何をさせたらいいですか?」など「受験」に関する相談がほとんどなのです。

多くの親が、我が子には「やりたいことを見つけて、自分らしい人生を歩んでもらいたい」と願っています。ところが、子どもが夢を実現していく「手段」であるはずの「受験」が、いつの間にか子育ての目標にすり替わってしまうのです。

何のために受験勉強をするのですか?

親に言われるまま塾に通い、勉強に励み、希望の学校に合格しても、そこで成長がストップしてしまう子どもが多くいることを知ってください。「合格」というゴールを達成したことで目標を失い、次のチャレンジへのモチベーションが上がらないのです。

私は受験に反対しているのではありません。むしろ賛成派です。ただ親子で受験勉強に必死に取り組んでいるうちに、受験がゴールになってしまわないように警告しているのです。

今受験に取り組んでいる家庭では「何のために受験をするのか?」というテーマで、親子でディスカッションをしてみてください。「分からない」という子どもに「あなたの将来のためよ!」などと親の意見を押しつけないでください。なぜ受験するのか分からなければ、その答えを親子で一緒に考えてください。

「親の期待に答えるため」「仲の良い友だちが受験するから」「ライバルに負けたくないから」「学歴は将来大切だから」「良い大学に入れば人生勝ち組だから」などと子どもは答えるかもしれません。

子どもの答えが何であれ、親は否定したり、バカにしたりせず、考えを受け入れてあげてください。受験する理由が見つけからなければ、些細なきっかけで子どものモチベーションは下がり学力は停滞します。勉強できる子に育てるには、子どもが能動的に勉強に向き合うことが必要です。「自主的なやる気」に勝る学習法はないのです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

台湾の頼次期総統、20日の就任式で中国との「現状維

ワールド

イスラエル軍、ガザ北部で攻勢強化 米大統領補佐官が

ワールド

アングル:トランプ氏陣営、本選敗北に備え「異議申し

ビジネス

日本製鉄副会長が来週訪米、USスチール買収で働きか
今、あなたにオススメ

RANKING

  • 1

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 2

    エリザベス女王が「誰にも言えなかった」...メーガン…

  • 3

    「高慢な態度に失望」...エリザベス女王とヘンリー王…

  • 4

    なぜメーガン妃の靴は「ぶかぶか」なのか?...理由は…

  • 5

    エリザベス女王が「リリベット」に悲しみ、人生で最…

  • 1

    アメリカでなぜか人気急上昇中のメーガン妃...「ネト…

  • 2

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 3

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 4

    「私は妊娠した」ヤリたいだけの男もたくさんいる「…

  • 5

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 1

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 2

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 3

    「レースのパンツ」が重大な感染症を引き起こす原因に

  • 4

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 5

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:インドのヒント

特集:インドのヒント

2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり